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「白色だね」 「え?」 振り返ると、机の上で待機状態になっていたPETが立ち上がり、休んでいたとばかり思っていた相棒の姿が映る。 「何の話だよ?」 言葉の意味がわからずに、ベッドから起き上がり近づきながら問いかけると、相手は口の端に意味深な笑みを湛えながら答えた。 「白色。熱斗くんのイメージカラーだよ」 「はぁ??」 「ほら、今日学校で話してたでしょ?」 「ああー」 ようやく話が繋がって、熱斗はぽんと手を打ち鳴らして納得した。休み時間にメイルとやいとが話していた花言葉のことだろう。 「あの、赤い薔薇はなんとかーってやつだろ?なんだよ、ロックマンそんなこと気にしてたのか?」 「ううん。ふと、思いついたから言っただけ」 花のことは全然知らない熱斗にとっては、聞き流してしまうような内容の話題だったのだが、どうやらロックマンは興味を持ったらしい。花に詳しいのは、さすがデータベースと接続されているネットナビといったところか。 「ふーん・・・白かぁ。てっきり、やいとたちと同じで「青」って言うかと思ったけど」 バンダナにもつけているが、熱斗は青い色を好んで身につけることが多かった。それは無意識に、ロックマン・・・一番身近に感じているこの存在が、大きく心を占めているせいかも知れないけれど。 トレードマークともいえるその色が一番イメージにもぴったりだと、メイルたちに青い花の花言葉を延々と講義されたのだった。 「熱斗くんだったら・・・白い、ガーベラが良いね」 「へぇー」 そういわれても、やはりピンと来ない。 そもそもガーベラと言われても熱斗には八重なのか一重なのかすら区別がつかないことだろう。 「それで? そのガーベラにも何か意味があるんだ?」 自信満々に宣言されては、他でもないロックマンが熱斗に選んだ花である。気になってしまうのは仕方が無いこと。 「うん。「真実の友情」・・・ね、君にぴったりでしょ」 これほどに似合う言葉は他に無いのではないだろうか、とロックマンは思った。 どんな人に対してでも、優しく誠実であり続けることが出来る人間は、世の中に少ない。彼は周りの人間が作ってしまう疑心という壁を乗り越えて、全てを繋いでしまえるのだ。 きっと誰もが友情の意味を、正しく知ることができるだろう。 彼に会うことによって。 「な、なんか面と向かって照れること言うなよ〜」 俺とお前はもちろん、一番の親友に決まってるだろ。 広い意味で言ったロックマンの言葉を、狭い意味・・・つまり2人の友情と取った熱斗は、照れながら嬉しそうにPETの向こうで笑顔で答えた。 さらに奥に隠された意味には、きっと気付かないことだろう。 (まだあるんだよ、ガーベラの花言葉はね) 植物のことなど、調べる機会も無い。 花には花言葉が複数ついてることも、熱斗は知らなかった。だからこそロックマンはそれを口にしたのだけれど。 ガーベラ。 真実の友情。 そして、真実の愛。 (ボクが真実に愛を向けるひとは、このひとだけです) 囁く花の名は、初めて贈る愛の言葉だと、きっと気付かれなくても。 「似合うと思うよ、絶対に」 いつか両手一杯の花束を、キミに渡しに行くから。 --------------------------------------------- コメント▽ 日記に書いた突発小話その2。↓日記よりコメントも再録。 以前にNET&ROCK LOVERs!!受同盟さまへ登録した時、熱斗くんに似合う色と花は?という質問で答えさせて頂きました。こんなイメージです(笑) 熱斗くんに似合う色っていったら、真っ先に「青」!と答えるのですが、イメージは白なんですよ。 何色にも染まらずに、近くに居る人の色になる。 だから傍に居る人はとても心地よく感じてしまうのです。 そーんな感じで妄想が・・・っ。(かなり個性的回答ですみません;) ・・・更新間が空いたので、その穴埋めにと日記で書いた小話でした。 BACK |
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