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「お、結構手際がいいじゃねーか」 「へへっ、カレー好きを甘くみるなよ〜」 「熱斗くん・・・カレー好きとカレー作りは関係ないんじゃあ・・・」 「そこっ、よけいなことは言わない」 しゃっしゃっと野菜の皮を剥きながら弾む口調でロックマンに釘を刺す。 今はとにかくこの大量の材料を素晴らしく美味しいカレーへと変身させるのが彼らの使命なのだ。 「デカオ、こっちできたから次は何すれば良い?」 「おう! それでだいたいは仕込みも終わりだから、後は任せておけよ」 調理場を忙しく往復して、その動きには似合わない大きな体を揺らしながら細やかな作業を進めていく。熱斗は邪魔にならないようにと一歩引いてそれを眺めていた。 突然の人手不足でかりだされたときには驚いたけれど、たまには食べるだけじゃなくて作ってみるのも楽しいことだ。 ぷんと漂いだしたスパイスの香りにうっとりと目を細めて、熱斗は疲れた筋肉をほぐすように首をぐるりとひと回しすると、大きく伸びをする。 お茶を飲みながら一休みすることにして、デカオの作業が終わるのを待った。 「お疲れ様、助かったぜ、熱斗」 「おー、デカオもお疲れ」 そうしている間に全ての作業が終了したのか、手を拭きながらやってきたデカオにねぎらいの言葉を投げかけた。 「にしてもお前、手際よかったなぁ」 意外そうにそう尋ねられて、苦笑を返す。 確かに小学生の、しかもとても料理をするようには見えないだろう熱斗が包丁を扱えるなんて、驚きだったのかもしれない。 いままで付き合いはあっても料理をする機会など子供たちの間であったわけでもないから、当然のことだ。 しかし、ならばカレーショップのオーナーにはとうてい見えないデカオのことは棚上げなのだろうか。 そのことを思うとおかしくて、ついつい笑いがこぼれてしまう。 「まあ、カレーは好きだからさ」 「だから、熱斗くん理由になってないってば」 すかさず突っ込みをいれるロックマンをさりげなくかわしながら、熱斗はにっこりと笑って、「一番に俺に食わせてくれよな」と約束をとりつける。 働いた分はしっかり頂く、というわけだ。 「わかってるって。にしてもなぁ・・・」 「ん?」 何か考えるように呟いたデカオを、不思議に思いながら、お茶をひとすすり。 「これだけ手際がよければカレー屋に嫁げるぞ」 「ぶはっ!!?」 おもいきり、飲んでいたお茶を吹かされた。 何を言い出すんだと思いながらも、咳き込むままに俯く顔は咳のせいだけじゃなく赤くなっていて。 「男のこは嫁じゃないと思うんだけど・・・」 ロックマンのぽつりといった突っ込みが、やけに印象に残っていた。 end. --------------------------------------------- コメント▽ 相変わらずデカ熱が好きで暴走してますー。 私が書くデカ熱話は何だか甘くなる気がするんですが(笑)さらりと口説き文句を(素のままで)言ってくれそうなイメージなのですよ。 うちの熱斗くんは料理上手です。 エプロンとか着て料理してくれちゃいます。炎山とかは、逆に料理できない気がするんですよね・・・周りの人たちが全部やってくれてるし。 お味噌汁を作って、「味見してよ兄さん!」とPETを出して笑顔全開。 「ん・・・塩分0.9%。完璧だよ、熱斗!」キラキラと笑顔で答える彩斗。 兄弟イチャラヴっていうとこんな感じに・・・(大笑) BACK |
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